アステラス健保 健保だよりNo.45
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 腸は食べ物を消化して栄養を吸収し、残った老廃物を排はいせつ泄するだけでなく、免疫力にも大きくかかわる臓器です。したがって「腸の健康=快便」は、全身の健康につながります。たかが便秘とあなどるなかれ●指導松生クリニック院長(東京都)松生 恒夫 先生●●●●●腸の働き1●●●●●腸の働き2消化・吸収・排泄を担う腸は働きもの排便のしくみと停滞腸 全長7~9mもある腸は、小腸とそれに続く大腸に分けられ、大腸はさらに盲腸、上じょうこう行結腸、横おうこう行結腸、下かこう行結腸、S状結腸、直腸に区分されています。小腸は主に消化、栄養と水分の吸収を、大腸は水分の吸収と老廃物の排泄を受けもっています。 かみ砕かれてだ液と混ぜられた食べ物は、胃で胃液によって消化され、かゆ状になって小腸の入り口である十二指腸に送られます。そこで胆汁などによってさらに消化、分解され、小腸のなかを運ばれていく間に、消化と栄養の吸収が行われます。残った老廃物はドロドロで、大腸に運ばれて水分が吸収されると固形の便になり、これがたまると肛門から排泄されます。 便が排泄されるには分節運動とぜんどう運動が必要です。分節運動は腸が収縮と弛しかん緩をくり返して老廃物を攪かくはん拌しながら運ぶ動きで、小腸と大腸でおこります。ぜんどう運動は大腸でおこる、腸の内容物を肛門に送る動きで、便が直腸に移動すると便意が生じます。 こうした動きは、中枢神経系の自律神経と、腸の独立した神経系が支配しています。腸には、脳に次いで多い約1億個の神経細胞があるため、「セカンドブレイン(第二の脳)」と呼ばれています。腸の神経系は単独で命令を出して臓器を動かすことができ、その1つがぜんどう運動なのです。しかし最近は、朝食抜きや、ダイエット、食物繊維不足、ストレスなどが原因で、ぜんどう運動が弱くなった「停滞腸」の人がふえています。6「便秘解消」は全身の健康に通じる!

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