アステラス健保 健保だよりNo.51
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へるすガイド2男性に多く、死亡数が多い 肺がん 肺がんは早期ではほぼ無症状であり、症状の進行とともに、咳、痰、血痰、発熱、呼吸困難、胸痛などの呼吸器症状が現れます。しかし、これらは必ずしも肺がんに特有のものではないため、他の呼吸器疾患と区別がつかないこともあります。早期発見のためには、検診を受けることが重要です。 また、肺がんは進行すると、がん細胞が周りの組織を破壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れに乗って広がっていきます。転移しやすい場所は、リンパ節、脳、肝臓、副腎、骨です。また同様に、他の臓器にできたがんが肺に転移することもよくあります。複数の症状が見られたり、長引いたりして気になった場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。 肺がんは喫煙との関連が非常に大きいがんです。男女別の罹患率をみると、喫煙率の高い男性は女性の2倍以上になっています。タバコを吸わない人でも、周囲に流れるタバコの煙を吸うこと(受動喫煙)により発症する危険性が高まることもわかっています。受動喫煙にさらされると、がんや脳卒中、心筋梗塞、呼吸器疾患などのさまざまな病気のリスクが高くなり、さらには妊婦や赤ちゃんにも悪影響を及ぼすことがわかっています。このため、受動喫煙は近年、社会全体で取り組むべき問題として認識されています。肺がんを予防するためには、タバコを吸っている人は禁煙し、吸わない人はタバコの煙を避けて生活しましょう。特有の症状はなく、転移しやすい 肺がんとは、気管支や肺胞の細胞が何らかの原因でがん化したものです。女性より男性に多く、喫煙者は罹患リスクが高まります。日本では死亡数が増加傾向にあり、肺がんで死亡する人は年間7万8,000人と、がんによる死亡の中でもっとも多くなっています。肺がんの最大の要因は「喫煙」●監修: 新座志木中央総合病院名誉院長国際医療福祉大学大学院教授加藤 治文先生東京医科大学名誉教授

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