No.53(2018年4月)
11/12

 ストレスと食事の関係はとても深いため、「これを食べればOK!」というものはありませんが、毎日の食習慣の何かひとつを変えてみるだけでも思わぬ効果を感じられるかもしれません。次回は「ストレスに強くなる運動」について紹介します。 規則正しく食べることは、体内のリズムを整え、免疫力をはじめ、さまざまなストレスへの抵抗力を高めます。1日の生活の中で食事の時間を規則的に配置することで、睡眠などほかのリズムも整ってきます。 食べるという行為は、単に栄養を摂取するだけではなく、緊張をやわらげて精神を安定させる効果があります。これは「よく噛む」ということで、消化を助けるだけでなく、ストレスによって緊張した交感神経を和らげてくれる働きもあるためです。麺類より米、加工食品より生鮮食品というように、よく噛んで食べることができるメニューを選びましょう。 また、緊張した状態だと消化液の分泌が抑制されますが、リラックスした状態だと副交感神経が優位に働き、消化がよくなります。旬の食材を取り入れたり、食器の色や形などを工夫して食卓を彩ることもおすすめです。仲間や家族と一緒に団欒しながら食べる、1人でも食卓の演出をしてゆっくり食べるなど、自分に合った方法で食事を楽しみましょう。 1つの食品で1日に必要な栄養素をすべて含んでいるものはありません。健康維持のためには、まんべんなくいろいろな食材を食べることが基本です。中でも、野菜や果物に多く含まれるビタミンは心身を安定させ、血液の循環を促し、自律神経をコントロールしたりする働きがあります。1日350gの野菜摂取を目指しましょう。 また、魚に含まれるDHAなどの不飽和脂肪酸は脳神経の働きを助けます。さらに乳製品や小魚・大豆製品などにはカルシウムが多く含まれており、気分をリラックスさせることに役立つと言われています。ただしカルシウムを多く含む食品を一度にたくさん食べても、吸収できる量は限られます。毎日コツコツ摂るようにしましょう。11 うららかな春の日差しが心地よい季節となってきました。春は、気候はもちろんのこと、新しい職場や新しい仲間など「変化」の多い季節です。この変化が気づかぬうちに体と心にストレスを与えてしまい、自律神経が乱れるもとになることがあります。 今年度のめんたるへるす通信は「ストレスに強くなる」をテーマに、さまざまな生活習慣(食事・運動・睡眠・思考)について解説していきます。今回は「ストレスに強くなる食事」です。アステラス通信① 規則正しく食べよう!③ 楽しく食べよう!② バランスよく食べよう!健康管理室発~食べ物は命のみなもと~ 現在の私たちは、豊富な食材に恵まれ、多様な味わいの料理を楽しむことができます。その原点は、生命の維持ですが、その他にさまざまな機能があります。何を食べるかだけでなく、「いつ食べるか」「どのような雰囲気で食べるか」が体や心の機能に影響を与えます。毎日の食生活を整えることは、健康な状態を保つことにつながり、日々のストレス対策に役立ちます。

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る